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奨学金の延滞・未納のままだとクレジットカードの審査に影響が 奨学金延滞は信用情報機関に登録される

     2017/04/12

奨学金の延滞・未納のままだとクレジットカードの審査に影響

独立行政法人日本学生支援機構からの奨学金制度がありますが、その奨学金を返済できないという若者が増えているというニュースを一時期耳にした事があると思います。

奨学金制度を利用されていた学生さんで卒業後に職が得られなかったという人も居れば、就職は出来たものの給与が低く到底生活だけで精一杯という人などもおられます。結果奨学金を返済出来ずに延滞・未納となったままどうする事も出来ない方もおられます。

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学生向けの日本学生支援機構の奨学金制度について

独立行政法人日本学生支援機構では、「貸与型」と「給付型」の2種類の奨学金が有ります。給付型のものは海外留学奨学金となります。貸与型が、大学院や大学(学部)、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)の学生や生徒さんを対象としている奨学金です。

貸与型には、無利息の第一種奨学金と利息付の第二種奨学金の2タイプがあります。その貸与総額は1兆円を超えており、約134万人が利用しているそうです。

保証制度について

奨学金を申込む場合には、保証制度があり保証人等が必要となります。基本的には以下の2つからいずれかを選択する事になります。機関保証への加入は、一定の保証料の支払が必要で公益財団法人ですが、いわゆる保証会社的な感じです。この保証料は毎月の奨学金から保証料が差し引かれます。

  • 機関保証へ加入(日本国際教育支援協会)
  • 連帯保証人と保証人を選任

機関保証

機関保証は、公益財団法人日本国際教育支援協会が連帯保証するもので、一定の保証料(毎月の奨学金から保証料を差引き)を支払う事で奨学金の申込みができ、この機関保証制度加入の場合には連帯保証人及び保証人が不要となります。

連帯保証人及び保証人

保証制度において人的保証制度(連帯保証人及び保証人)を選択した場合、奨学金申込みの際に、連帯保証人及び保証人の氏名等の届出をします。そして、奨学生として採用された際には、連帯保証人及び保証人の自署・押印した返還誓約書を学校窓口に提出する事になります。

連帯保証人とは、父母やそれに代わる人をいいます。そして、保証人は4親等以内の親族で、本人及び連帯保証人と別生計の人となっており、父親の兄弟や母親の兄弟などおじ、おばなどが該当します。

奨学金の返済(返還金)を延滞した場合

独立行政法人日本学生支援機構の貸与型の奨学金の返済(返還金)を滞納した場合どうなるかと言うと、「本人」「連帯保証人」「保証人」へ文書や電話での督促が行われます。

この業務については、債権回収会社に委託されている場合が多く、主に電話、文書、自宅への訪問で督促が行われています。但し、自宅へ訪問して現金を徴収する事は有りません。

本人に返済能力が無い場合は連帯保証人に、それも困難な場合には保証人に返還請求が行われます。

奨学金の貸与を受けるには信用情報機関への登録の同意が必要

現在では奨学金の貸与を受けるには、「個人信用情報の取扱に関する同意書」の提出が必要になっています。この同意書の提出は義務付けられているもので、これに同意できない場合には奨学金の貸与を受ける事は出来ません

個人信用情報の取扱に関する同意書は、平成21年4月以降の奨学金の貸与を受ける方から同意書の提出が義務付けられています。

この信用情報機関への登録は、平成20年6月に奨学金の返還促進に関する有識者会議で「日本学生支援機構の奨学金返還促進策について」で取りまとめられました。

そして、返還開始後一定の時期における延滞者について、個人信用情報機関に登録する事により延滞者への各種ローン等過剰貸付を抑制し、多重債務かへの以降を防止する事が教育的観点から有意義だからという提言に基づいています。

どの信用情報機関にどのような情報が登録される?

登録される信用情報機関は、銀行が多く加盟する「全国銀行個人信用情報センター」となっており、平成20年11月から加盟しています。

登録時期は、延滞3ヶ月以上となった場合に登録されます。新規返還者に関しては返還開始から6ヶ月経過した時点で延滞3ヶ月以上の場合に登録されます。それ以降は新規扱いではなく延滞3ヶ月になった時点で登録されていきます。

登録される内容としては、基本的にクレジットカードの場合と同様に氏名や住所、勤務先、後は契約内容となります。当然延滞の情報も登録されます。

個人信用情報機関 全国銀行個人信用情報センター
登録時期 延滞3ヶ月以上となった場合
(新規返還者は6ヶ月経過した時点から)
登録内容 氏名・住所・生年月日・電話番号・勤務先等・貸与額・最終返還期日等・返還状況・延滞情報

奨学金を延滞し信用情報機関へ登録される事で起こる影響について

仕事が見つからなかったり、給与が低く生活が厳しいという奨学金返還者の方など様々な事情で延滞となる方がおられます。日本学生支援機構では、この場合、加盟している全国銀行個人信用情報センターへ延滞の情報を登録します。

全国銀行個人信用情報センターへ登録される事で様々な影響が出てくる事が考えられます。

審査に通らなくなる可能性

信用情報機関に延滞情報が登録されると、様々な審査に通らなくなる可能性が高まります。個人の信用が低下している状況になります。

  • クレジットカード
  • カードローン、キャッシング
  • 自動車ローンや住宅ローン
  • 携帯電話の端末の分割払い
  • 連帯保証人不要の民間賃貸住宅

などに影響が出てきます。クレジットカードでは審査の時点で信用情報に照会をかけます。クレジットカード会社はCICという信用情報機関に主に加盟している場合が多いですが、相互交流(CRIN)により3つ信用情報機関で延滞情報は共有出来る状況にあります。

信用情報と信用情報機関とは?

信用情報のブラックリストとは?消す方法はある?

他にも、お金を借りるカードローンやキャッシングなどの審査も厳しいですし、自動車ローンなど各種ローンから、スマホなどの携帯電話の端末の分割払いも、携帯会社も信用情報機関に加盟している為、分割払いが出来なくなる可能性が高まります。

また、マンションやアパートで連帯保証人不要で保証会社が代わりに保証してくれる賃貸物件も保証会社の審査に通らず結果、マンションやアパートが借りられないという事態にもなります。

利用停止や強制解約の可能性

クレジットカードやカードローン、キャッシングなどでは、途上与信や法定途上与信があります。これは、審査以外で信用情報機関に異動情報がないかのチェックが行われるものです。

途上与信はクレジットカード会社などの事業者が判断して行うものです。一方で法定途上与信はカードローンやキャッシングなどで、貸金業(消費者金融や信販会社)の場合は貸金業法にて定められています。

クレジットカードやカードローン、キャッシングの契約中に途上与信が行われ、延滞が登録されていると最悪の場合、利用停止や強制解約の措置が取られる場合があります。

特にカードローンやキャッシングなどは、延滞が解消するまで利用出来なくなる場合があります。クレジットカードなら強制解約の可能性も有ります。これらは、契約者の信用が著しく低下した為です。

信用情報機関に登録されるという事は著しく信用が低下します

この様に、奨学金の延滞によって信用情報機関にその情報が登録されてしまうと、著しく信用が低下してしまいます。また、延滞を解消したからといって、延滞をしていた事実は最長で5年間信用情報機関で保有されます。

注意したい点としては、延滞は解消されない限り延々と延滞の情報が残り続けるという点です。

奨学金の返還が難しい場合に利用できる制度

奨学生の本人に返還が難しい事情が発生した場合の為に3つの制度が用意されています。

返済が難しい時(日本学生支援機構)

減額返還

減額返還は、経済困難や失業、災害や傷病などの事情によって返済が困難になった方で、割賦金を減額すれば返還可能な方を対象としたものです。

  • 毎月の返還額を半分に減額して返還できる
  • 適用は12ヶ月で最長10年まで延長可能

奨学金の減額返還は、提出する証明書が一定の要件に合致する必要が有ります。

返還期限猶予

返還期限猶予は、経済困難や失業、災害や傷病などの事情によって返済が困難になった方で、一定期間返還を停止し先送りに出来るものです。

延滞となる前に所定の書類を提出し、返還期限の猶予を願い出る事が可能で、適用期間後に返還が再開され、返還終了年月も延長されます。

但し、返還期限猶予には審査があり、その審査で承認された場合に猶予が認められます。

返還免除

返還免除という制度も有りますが、これは本人が死亡した場合、精神もしくは身体の障害により労働能力を喪失又は高度の制限があり返還が出来なくなった場合に免除されます。

なるべくこの制度は利用したくない所ではあります・・・

ちなみに精神・身体の傷害の場合は、当然意思の診断書が必要となります。様式は日本学生支援機構所定の用紙となります。内容によっては一般猶予となる場合もあります。

3ヶ月以上の延滞が続くと信用情報機関に登録されてしまいますので、それまでに「減額返還」や「返還期限猶予」などを願い出て、延滞情報が登録されないようにしたい所です。自身の収入や家計の状況に応じてどちらかを検討すると良いでしょう。

まとめ

この様に奨学金の延滞・未納は、3ヶ月以上続くと信用情報機関に登録されてしまいます。登録されると、クレジットカードの審査では大きく影響してきます。

延滞を長く続けていると信用は大きく低下している状況ですので、審査に通る可能性が無くなってきます。もちろんクレジットカードだけでなく、その他カードローンやキャッシング、携帯端末の割賦契約(分割払い)なども出来なくなります。

結局の所、奨学金の貸与型は借りたお金という事ですので、信用情報機関に登録されればいくら教育の為のお金といっても、社会では借りたお金を返していない人という扱いになります。

もし、返還が困難になってきた場合にはすぐに、返還の減額や一時猶予などの対応を速やかに取るようにして、延滞が起こらないようにするのがポイントです。ただやはりいずれは返さなければならないお金には変わり有りません。

奨学金に関しては様々な意見もありますが・・・

奨学金の延滞・未納問題は様々な意見があり、なかなか難しい所です。そもそも教育を受ける権利があり、経済的な事情で大学などに進学できない人の為であり、この信用情報機関への登録は厳しい処置だという意見も有ります。

一方で、目的も無く大学に進学したり、しっかり先の事を考えていなかったり、途中で学業に飽きてしまったりと学生側に原因があると言う意見も。

他にも、そもそも大学に行かなくても豊かな生活や幸福な家庭を築いている人も居る事は事実です。本人次第といえば本人次第ですが・・・

まあ奨学金は教育的な部分があるので、どちらの意見もうなずける感じです。ただ、きちっと返還している人からすると不公平な話ではあります。制度を見直すのが良いとは思うのですが・・・

ただ、社会一般的には借りたお金や契約は守らなければならないもので、それを破ると信用が低下し相手にされなくなってしまいます。仕方ないね。といって許してはもらえません。

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