クレジットカードの国際ブランドとその特徴や選び方などを解説
2019/04/29
クレジットカードには国際ブランドと呼ばれるものがあります。VISAやMasterCard、JCBやアメリカンエキスプレス、ダイナーズクラブなど、皆さん見たり聞いたことのあると思います。クレジットカードにはこの国際ブランドのロゴマークが入っていると思います。今回はこのクレジットカードの国際ブランドについて解説していきたいと思います。
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国際ブランドとその役割
国際ブランドには5大国際ブランドと呼ばれるものがあり、「VISA」「MasterCard」「JCB」「American Express」「Diners Club」が、世界5大ブランドとされています。この他に、最近では中国のユニオンペイやアメリカのディスカバーなどがその規模を拡大してきています。
ブランド | 拠点 |
---|---|
VISA | アメリカ(カリフォルニア) |
MasterCard | アメリカ(ニューヨーク) |
JCB | 日本(東京) |
American Express | アメリカ(ニューヨーク) |
Diners Club | アメリカ(ニューヨーク) |
中国銀聯 (Union Pay) |
中国(上海) |
DISCOVER | アメリカ(イリノイ) |
ほとんどの方は、これらの国際ブランドのいずれかのブランドのクレジットカードを選ぶ事になり、基本的にそのブランドのロゴマークのある加盟店舗でそのクレジットカードを利用する事が出来ます。自分の持っているクレジットカードのブランドのロゴが無ければそのお店では使えないです。
ただ、JCBとアメリカンエキスプレスのように業務提携をしている場合も有りますので、必ず一致していないと使えないかと言うと、そのブランドによって異なるので、必ずロゴと同じでなければ使えないと一概には言えません。
国際ブランドの役割
国際ブランドは、基本的にクレジットカードを直接発行するのでは無く、自社ブランドの決済システムが世界中で使えるようにネットワークを構築したり、自社ブランドの決済ルールを策定・管理しています。そして、クレジットカード会社に自社ブランドのクレジットカードの発行資格を与えています。
ただ、JCBやアメリカンエキスプレスなど一部ブランドとクレジットカードの発行を兼ねて行っている会社も有ります。
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国際ブランドの選び方
日本においては、クレジットカードを持つ場合には、基本的に「VISA」「MastarCard」「JCB」「American Express」「Diners Club」の5つの何れかの国際ブランドのクレジットカードを選択する事になります。どれにするか悩む所だとは思います。
総合的にはVISA、次いでMaster Cardが無難
一概には言えませんが、単にクレジットカードでの決済を目的とするのならVISAブランドが一番無難だと思います。特に海外で利用を考えている場合には、VISAブランドのクレジットカードを1枚は持っていると困らないでしょう。次にMasterCardといった感じでしょうか。どちらも決済に特化して展開をしているので、決済できる場所は多いです。もちろん日本国内の利用でもVISAやMasterCardが利用出来る店舗は多いです。
国内での利用や海外の人気観光地ならJCBも
日本国内でしかクレジットカードを利用しないという方なら、JCBブランドもおすすめ出来る国際ブランドです。国内での特典やサービスなども充実しています。また、アジアを初め日本人に人気の観光地ではJCBブランドが使える場合が多いです。
ただ、やはり海外での利用となると前述のVISAやMasterCardのいずれかは合わせて持って行きたい所です。世界的チェーン店なら利用出来るかも知れませんが、ちょっとしたレストランなどでは利用出来ない事も有ります。
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主なクレジットカードの国際ブランド
おそらくほとんどの方が、初めに紹介した「VISA」「MasterCard」「JCB」「American Express」「Diners Club」の何れかの国際ブランドのクレジットカードを選ぶ事になると思います。その主な国際ブランドについて紹介したいと思います。
VISA
VISA(ビザ)は、アメリカにあるクレジットカードの国際ブランドで、世界の200以上の国と地域で利用ができ、クレジットカードの世界シェアの半分近くある国際ブランドです。おそらく多くの方が一度は聞いたことがあるブランドだと思います。
VISAは、1958年にバンクオブアメリカが「バンクアメリカード」を設立したのが始まりで、VISAという名称には1976年から変更されています。世界シェアが半分近くあると言うこともあってVISA加盟店も多く利用出来る場所は多いです。
会員数 | 加盟店数 |
---|---|
約18億人 | 非公表 |
VISAは直接クレジットカードの発行はしていない
VISAは世界中で決済出来る技術を提供しており、VISANetは1秒で2万件以上の取引を処理する事が出来ると言われています。しかし、VIASが直接クレジットカードを発行し会費を取ったりという様なサービスは行っていません。世界中のクレジットカード会社にライセンスを与え、それぞれのクレジットカード会社から発行されています。ですので、申込はライセンスを与えられた各クレジットカード会社に申込む形になります。
日本におけるVISA
日本では、1968年に現在の三井住友カード(当時の住友クレジットサービス)が日本で初めてVISAと国際提携を開始してVISAブランドのクレジットカードを発行しています。現在は、三井住友カードやUFJなど直接VISAからライセンスを与えられたプリンシパルメンバーが発行しています。また、多くの会社がVISAカードを発行しています。また、それ以外の場合は日本のプリンシパルメンバーのいずれかの会社と提携してライセンスを借りた上で発行を行っています。
また、国内の加盟店に関する業務はVJA(ビザジャパン協会)や三井住友カード、三菱UFJニコス、クレディセゾン等の会社が行っています。
MasterCard
MasterCard(マスターカード)は、VISAと並ぶ国際ブランドです。マスターカードは、VISA同様に世界で利用出来る決済技術を提供している会社です。1966年にチェース・マンハッタン銀行を中心としたインターバンクカード協会が設立されその後独立してマスターカード(現マスターカードワールドワイド)となりました。
マスターカードの世界シェアはおよそ3割ほどあり、VISAに次ぐ世界規模の国際ブランドとなっています。どちらかと言うとアメリカよりもヨーロッパで強い国際ブランドと言われています。日本ではVISAやJCBよりもイメージが薄いかも知れませんが、プライスレスのキャッチフレーズのCMなんかも流れています。VISAが使えればマスターカードが使える場合が多いです。
会員数 | 加盟店数 |
---|---|
約9億人 | 非公表 |
日本におけるMasterCard
日本では、1970年から今の三菱UFJニコスがマスターカード(当時はマスターチャージというブランド名)の発行を開始し、その後日本信販や現在のオリコやセディナなどが取扱いを開始しています。三井住友カードでは1989年からの取扱い開始となっています。直近ではアコムが消費者金融初の国際クレジットカードとしてマスターカードブランドのクレジットカードを発行しています。
JCB
JCBは、日本で唯一のクレジットカードの国際ブランドです。そして日本では広く普及しているクレジットカードの一つです。東京ディズニーランド及び東京ディズニーシーと提携しており、スターツアーズやストームライダーの提供であったり、オフィシャルカードとなっています。(東京ディズニーリゾートのみで、海外ではVISAがオフィシャルカードとなっています)
JCBは1961年に当時の三和銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)と日本信販(現在の三菱UFJニコス)によって、株式会社日本クレジットビューローとして日本ダイナーズクラブについて2番目のクレジットカード会社として設立されました。
会員数 | 加盟店数 |
---|---|
約9,000万人 | 約2,800万件 |
JCBはクレジットカードの発行もしている
JCBは国際ブランドとして決済出来る技術を提供していますが、VISAやマスターカードとは異なり、自社でもクレジットカードを発行するイシュアーも兼ねています。また、海外では発行業務と加盟店業務は別々の会社である場合が多いですが、日本では加盟店業務も一緒に行っている場合が多く、JCBも「国際ブランド業務(ブランド)」、「カード発行業務(イシュアー)」も行っています。
JCBが発行するJCBブランドのクレジットカードには、JCBオリジナルシリーズがあり、「JCB一般カード」、「JCBゴールドカード」、そして29歳以下限定の「EXTAGE」、「GOLD EXTAGE」などが有ります。
これ以外にも、加盟店管理業務(アクワイアラ)でJCBとフランチャイズ契約を結んだJCBのグループ会社や三菱UFJニコスやUCカードと共同出資で設立した「JMS」が加盟店管理業務を行っています。JMSは提携するアメリカンエキスプレスやダイナーズクラブカードの加盟店取扱いも行っています。
もちろん他社でも発行しています
JCBブランドのクレジットカードは、JCBはもちろんそれ以外のクレジットカード会社も発行を行っており発行している主な会社としては以下のような会社が発行しています。
・三菱UFJニコス
・クレディセゾン
・イオンクレジットサービス
・トヨタファイナンス
・ビューカード
・オリエントコーポレーション
・セディナ
・ポケットカード
・楽天カード
他多数
海外ではJCBブランドは弱い?
JCBは国際ブランドですが、日本では普通に便利に使えるけれども、海外では弱いという話も有ります。JCBはどちらかと言うとトラベル&エンタテイメントカードで、VISAやマスターカードのようにとにかく決済に重きを置いて展開している感じでは有りません。とは言えJCBでも年々加盟店開拓も行われていますし、海外でのJCBの発行数も2,000万を超えていると言われています。
JCBはアジアや日本人に人気の観光地では比較的利用出来る場所が有ります。それでもメジャーな店では使えるけど、マイナーなお店では断られる事も・・・
そして、あまり日本人が行かないような場所はJCBというブランドを知らない人ばかりですので、VISAやMastarCardを一緒にもって行くと言う人が多いです。
ですので、海外旅行でクレジットカードを持って行くならまずVISAブランドを選び、予備的な位置づけでJCBを持って行く監事の方がより確実で困らないと思います。
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American Express
American Express(アメリカンエキスプレス)は、アメックスとも呼ばれています。ちょっとお金持ちであったり、高級なブランドイメージを持っている方が多いと思います。
アメリカンエキスプレスは元々は運送業者でアメリカを中心にカナダやメキシコにも広がっていました。1882年に金融事業に参入し、その後トラベラーズチェックを発行しています。そこから、海外旅行をするアメリカ人のサポートの為にフランスやイギリスなど海外に展開を開始しており、大正時代には日本にも進出してきています。
アメリカンエキスプレスがクレジットカード事業に参入したのは1958年の事で、アメリカのホテル組合が設立していたクレジットカード会社を買収してスタートしています。
会員数 | 非公表 |
---|---|
非公開 | 約1億1,000万人 |
アメックスの特徴
アメリカンエキスプレスは、元々アメリカ人の旅行のサポートをしていた事もあり、VISAやマスターカードのように単に決済の仕組みというのではなく、トラベル&エンタテイメントカードとして発展してきました。様々な優待やサービスを受ける事ができ、付帯するサービスが充実しているのが特徴です。
日本におけるアメックス
日本では、アメックスの子会社があり、アメックスが独自に発行するプロパーカードと、ライセンスを与えて発行されているものがあり、セゾン系や三菱UFJニコスなどからアメックスブランドのクレジットカードが発行されています。日本では加盟店が少ないというイメージもあるかも知れませんが、JCBと提携していますので、全てでは有りませんが比較的利用出来るシーンは多いと思います。
基本は以下の3つで、最も一般的なのがグリーンのカードです。センチュリオンカードは招待制(インビテーション)となっています。
・アメリカンエキスプレスカード(グリーン)
・アメリカンエキスプレスゴールドカード
・センチュリオンカード(招待制)
他にも、
・アメリカンエキスプレススカイトラベラーカード
・アメリカンエキスプレススカイトラベラープレミアカード
・ANAアメリカンエキスプレスカード
・ANAアメリカンエキスプレスゴールドカード
・ANAアメリカンエキスプレスプレミアムカード
・ペルソナSTACIAアメリカンエキスプレスカード
など色々な航空系などの提携カードなども有ります。
Diners Club
Diners Club(ダイナーズクラブ)は、今のような現代的な汎用クレジットカードの始まりと言われています。クレジットカードの歴史でも書いていますが、実際にはダイナーズクラブ以前にもクレジットカードやペイメントカードは存在していました。日本では最初のクレジットカードとなっています。
ダイナーズクラブはアメリカンエキスプレスと並んでステータス性の高いクレジットカードで、サービスなどが充実しています。
ダイナーズクラブも国際ブランドとして、アメリカを中心として世界展開されています。ただし、2000年にはシティグループに買収されており、その後シティグループの経営不振によって、現在はディスカバーフィナンシャルサービシズに売却されています。
会員数 | 非公表 |
---|---|
– | 非公開(日本では約80万人程) |
日本におけるダイナーズクラブ
日本では初めてのクレジットカードがこのダイナーズクラブでした。現在のJTB(日本交通公社)とみずほ銀行(富士銀行)が共同で日本ダイナーズクラブを設立しています。但し発行はJCBとほぼ同じくらいです。
現在は、2015年12月にシティカードジャパンの全株式を三井信託銀行が400億円程度で取得し、三井住友トラストクラブ株式会社として発行を行っています。ですので、カード表面からCITIの文字は消えています。
日本で発行されているダイナーズクラブカードも多彩な優待サービスが用意されており、また、利用金額に一律の制限を設けていないので、高額な商品を購入するのにも利用出来ます。
中国銀聯(Union Pay)
中国銀聯(Union Pay / ちゅうごくぎんれん / ユニオンペイ)は、中国を中心に拡大しているクレジットカードブランドです。上海に本社があり、2002年に中国の銀行カード産業の発展を目的として設立された連合体で、そこから銀聯カードが発行されています。
中国銀聯によると、世界における銀聯カードの取扱い加盟店舗数は1,000万店を超えて、海外では700万店ほどあるようです。日本でも近年は観光や爆買いなどで、ショップなどが銀聯のカードを使えるようにしている所が増えてきています。
会員数 | 加盟店数 |
---|---|
約6億人超(累計発行50億枚) | 約1,000万件 |
日本での中国銀聯
日本では、2007年12月から三井住友カードより日本発の銀聯カード「三井住友銀聯カード」が発行されています。日本仁観光客やビジネスマンが中国へ行く際には便利なクレジットカードとなっています。また、2010年には三菱UFJニコスから「三菱UFJニコス銀聯カード」が発行され、三菱UFJニコス銀聯カードなら海外の銀聯加盟店でのショッピング利用分は基本ポイントが2倍となっています。
DISCOVER
DISCOVER(ディスカバー)は、ディスカバーフィナンシャルサービシズがアメリカを中心に展開をしているクレジットカードの国際ブランドです。日本では発行されていませんので、日本人には馴染みの無いクレジットカードブランドだとは思いますが、JCBと中国銀聯と提携しそれぞれ加盟店解放をしているので利用出来る場所はアメリカだけでなくアジアでも利用する事が出来ます。2008年にはシティグループ傘下であったダイナーズクラブを買収してその傘下に収めています。
会員数 | 加盟店数 |
---|---|
約5,000万人 | 約400万件 |
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